こんにちは、ギタークラフトマンの nek です。
あなたはDIYで楽器を作りたいと思ったことがありますか?
もし少しでも作ってみたいと思うのであれば、「アコースティックギター」を作ってみてはいかがでしょう。
アコギ作り とても楽しいですよ!
この記事では、誰でも簡単にできるアコギの作り方の手順を紹介していきます。
紹介する作り方手順は、筆者が通ったギタークラフト専門学校で学び実践した手順なので、安心して作業ができる内容です。
アコギ製作は主に木工作業なので、木工の準備をしてください!
それでは、早速作っていきましょう!
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アコギの作り方 全22の手順で簡単!
アコギの構造はとてもシンプルです。
穴の空いたトップ材とサイド材とバック材で「箱」を作って、その箱にネックを付けて弦を張っているだけなので。
全体的な流れとして
- 内枠作り:所要時間 約20分
- ボディ作り:所要時間 合計約6時間
- ネック作り:所要時間 合計約6時間
- 塗装:所要時間 乾燥期間含め約一週間
- パーツ組み込み:所要時間 約6時間
といった手順で作業していきます。
作業は木工がメインなので、鉋やノミ、ノコギリ、サンドペーパーなどを用意しましょう。ボール盤、糸鋸、トリマーなどもあると作業がとても楽になります。
準備ができたら、早速作っていきましょう!
手順1:型となる「内枠」と「ブロック」を作る
まず最初にベニヤ合板などで、サイド材を曲げるときに形を合わせるための「内枠」を作ります。作るギターの形に切り出してください。
内枠にはネックジョイント部とボディエンド部の位置にあたる2箇所に「ブロック」をつけます。
このブロックはサイド材・トップ材・バック材・ネックを接着するための面積を確保するもので、とても重要なパーツです。主にマホガニー材を使います。
ブロックは2つとも必要最低限の面積と、作るギターのボディの厚さに合わせて加工しましょう。
手順2: サイド材の「曲げ」加工
2枚のサイド板を水とベンディングアイロンを使って曲げます。
少し曲げては内枠に合わせ、を繰り返して少しずつ形を作っていきます。
アイロンは300℃以上でる物がいいです。やけどには気をつけてくださいね!
手順3: 曲げたサイド材をブロックに接着
サイド材の形が枠に合ったら、木工用ボンドでブロックに接着します。
接着する際は、サイド材の端がブロック真ん中の位置でピッタリとつくようにしましょう。
手順4: トップ材・バック材の切り出し
トップ材とバック材それぞれの形を切り出します。
トップ材にはトリマーやサークルカッターなどを使ってサウンドホールを空けましょう。
手順5: ブレーシング加工・接着
ブレーシングとは、日本語名で「力木」といって3mmほどの厚さしかないトップ材・バック材の強度を保つだけでなく、振動の伝達の役割を持つパーツです。
最も強度が高く伝達効率がいいとされる「Xブレーシング」というブレーシングの貼り方で接着しましょう。
手順6: ライニング加工・接着
ライニングとは、トップ材・バック材をサイド材に接着する際の接着面積を補うパーツです。
幅6mm・厚さ10mm程度で、ボディを一周できるくらいの長さのマホガニー材などを用意しましょう。
糸鋸などを使って厚さが1mmくらい残るように6mm間隔で均等に切れ込みをいれます。
ベンディングアイロンで形を合わせてサイド材の接着面積を増やすように接着しましょう。
手順7: トップ材とバック材をそれぞれサイド材に接着
ブレーシングがサイド材に乗る部分を切り落とし、センターラインに合わせてバック材から接着します。
くれぐれもトップ材を貼る前に内枠を外すことを忘れないでくださいね!
手順8: ジョイント部加工
アコギは「蟻型継ぎ」と呼ばれるジョイント方法で接着するので、そのための組み木加工をします。
組み木加工にはそれなりの精度が求められるので、とにかく丁寧に仕上げましょう!
手順9: ヘッドの角度出し
角材の指板接着面となる部分の平面を出し、その面を基準にヘッド部分を14°の角度でトップ面を出しましょう。
手順10: アウトラインの切り出し・ペグ穴あけ
ヘッドやネック側面、厚みなどを9割型出します。
手順11:トラスロッド仕込み
指板接着面のセンターライン上にトリマーやノミを使って溝を掘り、トラスロッドを入れて、メイプル等の木材で溝を塞ぐように接着します。
手順12: グリップの荒加工
グリップの厚さが、1フレットの位置で15mm、11フレットの位置で17mmになるように厚み出ししてセンターラインを書きましょう。
指板接着面から10mm、センターラインから10mmのところにそれぞれ平行線を引き、その線まで小刀や南京鉋でクリップの角を削ってください。
手順13: 逆反り平面出し
トラスロッドをきつく締めて、ロッド調整が効く事を確認したら、ロッドを少し締めたくらいの位置にもどして、指板接着面の平面だしをします。
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手順14: グリップの本加工
グリップの厚みを、1フレットの位置で15mm、11フレットの位置で17mmとなるように丸みを出しながら加工しましょう。
手順15: ジョイント部の加工
ボディに作ったの溝に合うようにネック側も加工し、ネックをはめて確認しながら角度を調整します。
600mm定規などをネックに添わせて、スケールライン上の弦高が10mm~12mmになるようにジョイント部の角度を調節しましょう。
手順16: ネックとボディを接着
木工用ボンドでネックとボディをくっつけます。
ボンドは全体に薄く伸ばして塗りましょう。接着時はクランプでしっかり奥まで押し込んで固定してください。
接着したらボディトップ面の指板が乗る部分を平面出しをしましょう。
手順17: 指板の加工・接着・ナット取り付け
指板を成形したらフレットの溝を切り、フレットを打ってネックに接着します。
ナットもここで付けておきましょう。
手順18: 塗装・ブリッジ加工
指板上面やロッド調整部、ブリッジ部分など、塗料が乗ってはいけない部分をしっかりマスキングしてから塗装に入りましょう。
ウッドシーラー(ヤニ止め)→ウッドフィラー(目止め)→サンディングシーラー(塗装面の基盤作り)→サンディング磨き(平面出し)→必要であれば着色→トップコート(塗面の保護)→磨き・バフ(鏡面加工・艶出し)
上記の順番で塗装・磨きをします。
乾燥期間はブリッジの加工をしましょう。
トリマーでサドルをはめる溝を掘り、ハンドドリルやボール盤で弦・ブリッジピンを通す部分の穴を空け、最終的なブリッジの形を出します。
手順19: フレットのすり合わせ・フレット磨き
平面の出ている板にサンドペーパーをつけてすり合わせることでフレットの高さを均一にします。
高さが揃ったらサンドペーパーの番手を上げながら、フレットの角をとって丸め、最後にコンパウンド(金属用研磨剤)でピッカピカに磨きましょう。
手順20: ブリッジ接着・穴あけ加工
ボディのブリッジ部分のマスキングをきれいに剥がし、ブリッジを接着します。
ボディの内側に当て木を挟んでクランプで固定接着しましょう。
接着後はボディ側も弦を通す穴を空けてください。
手順21: パーツの組み込み
ペグ・エンドピンを取り付けましょう。
手順22: ナット溝切り・ブリッジサドル加工
ヤスリを使ってナットの弦が乗る位置に溝を切りましょう。
42mm幅のナットの場合、6弦側の幅が3mm、1弦側が2mm、弦間は7mmで切れ込みを入れます。
溝の深さは実際に弦を張って確認してください。弦下からフレット上面の距離が0.5mmが目安です。ペグポストに向かって真っ直ぐにヤスリを動かすのがコツです。
サドルのピッチも加工します。
サドル上面の弦が乗る部分がなるべく細くなるようにヤスリで加工しましょう。
完成!
最後にチューニングしてついに完成です!
お疲れ様でした。ようやく気になっていた音が聞けますね!
たくさん弾いてあげてください!
インテリアとして部屋に飾るのもいいですね。
完成してから放置は良くないので、定期的に手入れをしましょう。
まとめ
アコギのボディ構造はシンプルで、言ってしまえば4枚の板(トップ材・サイド材2枚・バック材)でできた箱に音が出る穴を空けただけです。
そこに接着面積を増やす「ライニング」や「ブロック」、強度の底上げと振動の伝達効率を上げる「ブレーシング」がついているのです。
アコギ製作は主に木工作業なので、鉋やノミはもちろん、トリマーやハンドドリル、ボール盤やサンダーなどもあると便利なので可能なら用意しましょう。
必要な道具が揃い、上記の手順通りにやれば立派なアコギが意外と簡単に作れます。
あなたもDIYでのアコギ作り チャレンジしてみては?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、良い音楽ライフを!
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